2021年2月11日木曜日

Q4. コンセッション(水道民営化)をすると海外企業に「命の水」を奪われるって本当?

回答:

民営化反対の際に、水が奪われる!と唱えられることがあります。ただ、本当に水を海外に奪っていくことは難しいですよね。このため、「水を国際政治に利用されないか」、それに「利益を外国企業に奪われないか」という2つの懸念と想定して返答します。

現在の日本の制度では応札者の国籍に制限を付けておらず、外国企業が水道コンセッションの受注者になる可能性があります。

「水を国際政治に利用されないか」という1つ目の懸念ですが、外国企業が水道事業を運営した場合ですが、水道事業の水源は国内にあるため、シンガポール等で発生した様な、水資源をめぐり国際政治に利用されることは有りません。

「利益を外国企業に奪われないか」という2つ目の懸念については、契約書の作りこみや運営時の規制が不充分だった場合、外国企業に過度の利益が独占され、住民や自治体が損失を被る恐れがあり注意が必要です。

過去にもボリビアやフィリピン等の途上国の過去事例では、フランスやイギリス等の外国企業が運営をすることが多く、後進国からの搾取であるとして大きな反対運動が起こりました。

ただしこの民間企業による搾取の問題は、外国企業のみではなく、国内企業が運営した場合でも起こりえる問題であり、国籍に過敏に反応することではないと思います。日本の商社も海外の水ビジネスに取り組んでいます。外国籍というだけで非難するのであれば、これらの日本の勝者も同じく非難されないと不公平ですよね。

コンセッション導入による成果は、官・民・市民の間でバランスよく配分されるべきであり、不備のない契約書の作成と、適正な運営管理を実施するための工夫や努力が不可欠です。


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