2021年2月11日木曜日

Q5. コンセッション(水道民営化)で水道事業の効率性が上がるの?

 回答:

コンセッション導入による業務効率化ですが、難しい問題で、必ずしも上がるとは言えません。

PPP事業(官民協力、コンセッションを含む)が始まった当初、「民間企業の運営により公共サービスの効率性が劇的に改善する」と信じられていました。この効率性の改善により、サービス向上や料金値下げといった成果が現われると言われていました。

しかしながら、専門家が水道コンセッションの過去事例を分析した結果、他分野と比べても失敗事例が多く、「効率性は必ずしも改善していない」という結論となっています。

まず水道事業の「効率性」を定義すること自体非常に難しいのですが、ここでは簡略化のため効率性を「事業成果/費用」と定義します。

日本の水道事業は世界的にも高い水準が確保されているため、事業成果を革新的に向上させることは難しく、効率性を上げるには分母である費用を下げることが目標となります。

事業にかかる費用は別の記事で説明しますが、人件費や投資費等、コンセッション導入で削減できる費用がある反面、入札準備の費用、融資の返済利子、配当等は増加します。

これらを詳しく計算すると、コンセッション導入で合計費用が増加する場合もあるため、自然に効率化するとは考えられず、導入する際には各種指標やそのモニタリング方法を慎重に検討するべきです。



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