2021年8月24日火曜日

4.添い遂げるためのアドバイス(水道コンセッション成功のために)

ここまで、水道コンセッション事業を結婚生活になぞらえて説明してきました。ここでは、結論として、結婚(水道コンセッション事業)を失敗しないための方策を示したいと思います。

1. 家族の調和を目指そう(官・民・市民のバランス確保)
2. 夫婦喧嘩は客観的評価で解決(NPOや規制機関のチェックが重要)
3. 夫に頼りすぎず、共働きを目指したら?(アフェルマージュの活用)


1. 家族の調和を目指そう(官・民・市民のバランス確保)

結婚生活を円満に送るには、家族皆の満足度が大事です。夫の収入が増えた場合でも、誰かが独り占めしては不和が起こります。余裕ができた分は、夫婦、子供、親族で公平に活用しましょう。

水道コンセッションでは、目的の異なる多くの関係者が存在します。社会サービス向上を目指す市や県、利益確保を目指す民間企業、料金低下を期待する住民。事業実施により効率化が果たされたとして、その利益をどこかが独占したら、公平性が失われ、その事業は失敗します。このため、充分な情報開示とともに、公平に利益を共有できる仕組みづくりが重要です。

2. 夫婦喧嘩は客観的評価で解決(NPOや規制機関のチェックが重要)

夫婦間で不満をたまることも有ると思います。偏った考えで相手を批判しない様に、客観的な評価をしてくれる友人や親族を持つことが大切です。喧嘩が激化してしまった場合は、専門のカウンセラーや弁護士に相談相談することが解決の近道です。

水道コンセッションでは、当事者である公共機関と民間企業の他に、客観的な評価を実施できる団体の活動が重要と思います。現在民営化が進められている事業は、 NPOなどが県や市の動きを注視しています。市民はその活動を応援し、長期的な視点で関わっていくことが大事です。また、イギリスのOFWATの様に、国レベルで水道民営化の是非を管理・規制する専門機関創設の必要性も感じます。

※各国の規制機関の概要は別記事で整理しようと思います



3. 夫に頼りすぎず、共働きを目指したら?(アフェルマージュの活用)

収入減が1つだと倒産や病気への対処が難しく、結婚生活が安定しません。このため、夫婦で仕事も家事も分担し、共働きで稼いでいくことがお勧めです。高度成長期は専業主婦家庭が多かったですが、近年は共働きの家庭が増加傾向にあります(リンク1)。総収入も専業主婦世帯より共働き世帯の方が高いです(リンク2)

海外の水道事業では、「大部分の業務を民間に任せるコンセッション」が多く導入されてきました。しかしながら、コンセッションは資金調達費用が高く、配管投資の管理が難しいというデメリットがあります。このため、失敗事例も多く、「官民で役割分担するアフェルマージュ」が見直されてきました(過去の記事)。アフェルマージュ方式は公共が配管施設の投資と運営を受け持つため、事業破綻のリスクを減らすと期待されます。

みやぎコンセッション事業は公共が配管投資・管理を行っており、アフェルマージュ方式が採用されています。

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