2021年3月12日金曜日

宮城県上工下水道事業のコンセッション候補者が決定

宮城県が募集していた、上水・工水・下水事業のコンセッション候補者が、3グループの競争を経て、メタウォーターグループに決定されたそうです。

Yahooニュース

宮城県の広報ページ

ざっと資料を読みましたが、概要は以下です。

・契約期間は20年(25年まで延長の可能性あり)

・料金改定は毎年の調整+5年ごとの定期改定(一般的)

・業務内容は浄水場、処理場の運転・管理・更新が主

・配管施設の管理・建設・更新は引き続き県が実施(配管投資のリスクを回避)

・応札の評価は多面的な以下11項目について点数付けして決定

1.全体事業方針(10点)、2.事業実施体制(11点)、3.収支計画・資金調達方法(9点)
4.水質管理(22点)、5.運転管理・保守点検 (22点)、6.改築・修繕等 (42点)
7.セルフモニタリング (8点) 、8.危機管理 (10点)、9.事業継続措置 (16点)
10.地域貢献 (10点)、11.運営権者提案額 (40点) ※(点数は200点満点)







以下、個人的な感想ですが・・・

良い点

・スキームについて、民間は浄水場や処理場の装置更新が主な業務であり、配管の建設・更新は県が実施するという立て付けで、配管投資に関連する危険性は低そう

・水質の常時チェックなども民間の強い部分であり、通常の運転の心配はなさそう

不明な点(今後の課題)

・災害時の対応については、各社の提案がどの程度機能するのか、県が実施する場合と比べてどっちが安全か、という点は不明

・応札した3グループの提案した報酬額が評価にほとんど反映されていません。県の評価基準は、「県の予想額以下を提案した場合満点」という設定であり3グループとも満点(40点)でした。低価格入札で勝者が決まり、後から手を抜いたり再交渉する戦略(モラルハザード)を阻止できる一方、民間報酬減→水道料金の提言といった利点は限定的となりました。

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