結婚という社会的な仕組みに置き換えて、水道コンセッション契約を説明する試みですが、ここでは結婚後の結婚生活(事業契約と運営)を説明してみます。
- 結婚生活開始に際して -
・結婚生活の計画・目標設定(事業計画策定)
長い結婚生活のおおよその計画を立てて、二人でそれを目指します。数年内に子供を作り、5年以内に持ち家に引っ越したい。お金に余裕があれば高校から私立に入れる。退社後は田舎でゆっくり過ごしたい。といった感じでしょうか。
水道コンセッションでは、契約前に事業計画が策定され、それが守られることが原則です。事業期間中(20-30年)の出費である、運営費用、設備投資、更新費なども予測値が決められています。
・結婚生活の役割分担(業務の割振)
結婚生活の役割分担についても決めます。2人の勤務体系や希望によって、妻が専業主婦か、共働きするのか、今の時代夫が専業主夫でも問題はありません。
・2人の目的を一致させる(経済合理性を考慮した契約設計)
夫婦2人は価値感が違うので、生活のルール作りも必要になります。週末1日は夫婦一緒に過ごすとか、夕食は家族一緒にとるといった決まりが、夫婦円満に効果がありそうです。約束違反は罰金だとか、出世したらお小遣いUPなどのルールも、よい良い案かもしれません。
水道コンセッション事業では、公社と企業の目的は異なっています。公社の目標は「適正な水道サービスの提供」であり、対する民間企業の目的は「利益追求」です。2者の目標は異なるため、公社は契約において、企業が目的とする金銭的な利益を、社会的な利益と一致させる「経済的動機付け」と呼ばれる作業を行います。具体的には計画よりも漏水が減ったら報酬を出す、水質が規定より悪化したら罰金を課すといったルール作りで、契約期間中それを守らせます。
※実際には企業へ罰則を科すことは難しいのですが、それは別に記載します。
- 結婚生活中 -
・充分な情報共有(官民の情報交換)
夫婦は、日ごろから情報や将来の希望を共有しておくことが重要です。健康状態や会社の勤務状況、収入額などを必要なだけ共有しましょう。
公社は企業に長期目標を伝えます。民間企業は公社に毎月・毎年する書類が決められています。施設の運営データや水質・水量データは毎月提出、財務諸表や資産情報、建設図面等を毎年提出することが普通です。また契約期間中の財務・技術計画についても定期的に見直しを行います。
※交渉を有利に進めるため、企業は情報を隠す傾向が有り、詳細は別に記載します。
・定期的な生活設計修正(事業計画の定期的な修正)
長く生活していく中で、子供の数、両親の健康状態、労働環境などなど、色々な変化が生じます。その時々の状況に合わせて、夫婦の目標や計画を変更していきます。また自身の病気や失職などの危機的な状況が発生すれば、大幅な計画修正を余儀なくされます。
水道コンセッションでは、おおよそ5年ごとの計画変更が義務付けられています。住民の居住地域、サービス人口、配管の老朽度など、当初計画時に全ての条件を見通すことが不可能であることが、定期的な計画修正の理由です。この見直し作業は、1年程度の時間をかけ、官民間で複数回の協議と資料のやりとりが実施されます。また経済危機や災害など、事業運営に大きなインパクトを与える事象が生じた場合も、計画の見直しが実施されます。
0 件のコメント:
コメントを投稿