2021年3月9日火曜日

(4)料金決定の仕組

ここではコンセッション契約の料金決定の仕組みを説明します。

以前、以下の記事で国内の水道料金の決め方について記載しました。

(4)水道事業の収入

コンセッション契約が結ばれた場合ですが、普通は既にある料金設定はそのまま残ります。(日本では総合入札方式が採られる可能性が高いと思いますが、料金を入札の基準とする場合、応札された金額で始まります)

料金徴収は民間企業の役割となるため、民間企業が料金を受け取り、それをもとに維持管理と施設の建設・更新をしていくことになります。

また公的機関に支払うコンセッションフィーが決められている場合、料金収入からその分を捻出する必要があります。


コンセッション契約での料金決定の手順

コンセッション契約における料金改定手続きですが、過去に調査した海外事例では、主に毎年実施される「料金調整」と、一定期間毎に実施される「料金改定」の2つの仕組みで実施されるることが多いです。

1)料金調整:毎年 物価上昇分などを考慮し、毎年料金が若干修正される仕組み

2)料金改定:5年毎 長期的な視点に立ち、将来の投資計画や需要予測の変更を加味



ここのところ日本ではデフレが続いていますが、状況が変わり物価上昇が引き起こされた場合、民間企業の収益性確保のため、同じだけ料金も値上げされるべきです。毎年の「料金調整」として、各種指標をもとに計算し、料金の調整が実施されます。

事業運営が5年ほど経つと、将来の人口予測、給水計画、配管の漏水発生率なども変わってくる可能性が高く、それらの計画を反映させるためにより大規模な料金改定を行うことが普通です。

その場合、民間企業は5年、10年といった長い期間で事業計画を作り、それを規制機関・公的機関が精算する必要があります。投資計画や各種数値のチェックも必要であり、料金改定手続きは1年以上かかる場合もあります。

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